- 19981205
- ▼かえるさんレイクサイド第二十九話「エレベーターの霧」。
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- ▼夜中に筆ペンで猫の絵を描いて遊ぶ
▼会話に現れる、要素とカテゴリー。▼たとえば、ゲーム談義をしていたとしよう。どんなゲームにハマっているかをお互い話しているうちに盛り上がってきた。そのとき、A君が「でも、結局それって、ギャバガイじゃないよね」と言う。▼「ギャバガイ」が何かはわからないが、なんだか否定的な発言に聞こえる。たぶん、ゲームにはギャバガイに入るものと入らないものがあって、A君にとっては、ギャバガイに入るのがいいゲームなのだ。▼たぶん、ギャバガイに入らないものの中にもいいものはたくさんあるのだ。でも、「結局それって、ギャバガイじゃないよね」なんて言われると、なんだかギャバガイに入ることがこの世でいちばん価値のあることみたいに思えてくるじゃないか。意地でもギャバガイに入ってやろうと思うじゃないか。▼するとB君が「え、ギャバガイだと思うけど、おれは」と反論する。どうやらB君はギャバガイが何かを知っているらしい。「ま、広い意味で、ってことだけど」ギャバガイには広いのと狭いのがあるらしい。▼「じゃ、たとえばゼルダってギャバガイか?」「だってマリオ64はギャバガイでしょ」「あれのどこがギャバガイ?」「だって3Dスティック使ってるし」「そしたらファミコンはギャバガイじゃないわけ?」「ゲームによるけど」▼あいかわらずギャバガイが何かはわからないけれど、さまざまなアイテムがギャバガイに放り込まれることで、ギャバガイは次第に輪郭を帯びてくる。
▼会話の中に、何かアイテムが現れる。アイテムは「ゼルダ」のように具体的なものでもいいし、「それ」と指されるだけの、あいまいなものでもいい。アイテムに対してカテゴリーが現れる。たとえば「ギャバガイ」。カテゴリーの輪郭はあらかじめ定義されているわけではない。カテゴリーがアイテムを含むかどうかが論じられるに過ぎない。アイテムの回りだけ、輪郭が現れ、その輪郭を、聞き手はああにもこうにも延長しながら、そのカテゴリーが何かを考える。▼カテゴリーに入らないことをめぐって争いが起こることもある。「でも、結局それって、ギャバガイだよね」という風に。意地でもギャバガイに入るもんか、と思う。▼会話に現れるカテゴリーとは、アイテムを入れてみたくなる器だ。アイテムを入れ、アイテムを入れ損なう。「ギャバガイじゃないよね」「ギャバガイだと思うけど」器をいじる人々。▼「で、ギャバガイってつまりなんなの?」器を投げる人。
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