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19990811




シュトゥットガルドに着くとあいにくの雨。朝の7時から皆既日食を見にきたバッグパッカーたちで、マクドナルドはなんと1時間待ち。ようやくハム&エッグにありつく。駅から南南西にのびる歩行者天国にはいたるところに「Zonnennfestival」のポスター。そこを抜けるとSchloBplatz広場。高い彫像を中心に空が広々と抜けていて、日食を味わうにはいい場所だ。で、早くもビール販売のテントがあちこちに張られている。


 とはいえ、まだ日食には間があるので、ホテルで一服。ラウンジでかちゃかちゃやってると、10時に部屋を開けてくれた。テレビにバスタブ付きの豪華版。ヨーロッパでテレビを見るのははじめてだ。どれどれ。あちこちで日食中継と解説だ。で、お約束のエロチャンネルはどうか。あらあらおやおやそんなことまでどんどこしょ、身も蓋もない夏の海で身も蓋もない男が身も蓋もなくぶらさげながら身も蓋もなく胸を持ち上げる女のもとにやってきます。そして身も蓋もなくお互いの襞の襞をなぶりあい、抜き差しあうのを、そんなアングルからどアップですか、抜き射す男も女もなくなり、襞と襞がひだひだするばかり。おもしろうて without やがてかなしき。

 あまりのわかりやすさにすっかり見入ってたら、おっと、もう11時じゃないか。駅前通りはもうすごい人混みでなかなか前に進まない。ようやく広場にたどり着いて、まずはビールを一杯。そしてもう一杯。雲の流れを見るにつけても状況はますます太陽を隠す方向に動きつつある。すでに太陽は欠けているはずだが、この暗さは欠け具合を表しているのか、雲の厚さを表しているのかもわからない。予定の5分前になると、あてつけたように雨足が強くなる。雨降るなの声があちこちから上がるが、どうやら陽はおがめそうにない。そして、まもなく予定時刻、というときに突如全天にスイッチが入ったように暗くなる。あちこちから歓声。すごい。こんなにすばやいなんて。空全体に、こんなことが起こるなんて。誰かがあの世の力で空の目盛りを動かしているように、みるみる暗くなる。そして東にほのかな赤みを残してあとは真っ暗だ。フラッシュの嵐。花火が上がる。見上げると、夜の雲のテクスチャ。その淡い部分がほの明るくなったかと思うと、みるみる明るくなる。ああ、と安堵のような落胆のような歓声が一斉に起こる。
 皆既日食を使って自分の力を見せつけた魔術師はよくよく考えたものだ。誰が空のあかりをコントロールできるだろう。

 自転車で丘の上の高級住宅街を始めあちこち散策。

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Beach diary