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20001130
最近出たInterCommunication 35「21世紀のための音/音楽ガイド」に「レイモンド・スコットって誰だ?」を大幅に改訂したものを書きました。今年出たスコットの「マンハッタン・リサーチ」を含む話が読めます。以下ちょっと引用。

スコットのサウンドトラックは、ジムの語る内容をメロディアスに説明しているのではない。むしろ、聴く者はスコットの音によって思考につまずき、情緒にまとわりつかれる。音は、スムーズな、クリスピーな、あるいはひりひりするような手ざわりをなぞる。音楽は、情緒や思考を表わすのではなく、聴く者の情緒や思考に触れ、その触感を明らかにしていく。言葉の示すものに近づくのではなく、言葉そのものに近づく。
(中略)
 スコットの音楽は、歴史的位置づけなど突き抜けて、新しく響いてくる。ちょうど、シュヴァルの理想宮やヘンリー・ダーガーの絵が、シュールレアリズムやアウトサイダー・アートといった美術史上の位置づけを突き抜けるように、そして同じ場所同じ画面を何度も巡った者だけが可能にする無数の視点の交錯によって見る者を圧倒するように、スコットの音楽もまた、ループを何度も巡り直し、音色を追い求めたものだけがたどりつくであろう無数の視点をはらんでいる。一聴してわかりやすいメロディやリズムのあちこちに亀裂があり、リズムを横断する異質な時間が現れる。くっきりとした輪郭が現れたかと思えばクリスピーな音ではじけとび、聞き手の考えに触感を与えたかと思えば次の瞬間には別の考えに触り始めている。そして気がつけば、またしても聞き手はループの只中に置かれている。


(「レイモンド・スコット −電子音楽の理想宮−」より)


 送られてきた同誌を巻頭からぱらぱら。養老孟司のあまりの乗り気のなさにいきなり腰が砕ける。ちゅうか、バーサミアンの作品って何がおもろいんかわからん。あれなら100年前のマレーの立体ゾートロープの方がいいと思う。
 ディスクガイドの新宮一成の文章にハミングのありようを考え直す。フリッツ・ライナー他の古色蒼然たるチョイスも気にならない。今福龍太のデサナフィート体験にただただ嫉妬。キリンジの声は小田和正を思い出させるという一点で村上隆に同感。が、その接点はたぶん、しゅはきませりだろう。竹内孝宏の「浅草の半歩先」、で、ぼういずの「スイングよ」が都々逸で歌われているという鋭い指摘。

 それにしても、どれを読んでも紹介盤を聞こうという気がまるで起こらないな。

 mp3が音楽産業をどう変えるかよりも、mp3で何を配信するかに興味がある。どんなに転送速度が上がったって、音を聞く時間が圧縮されるわけじゃないのだ。ぼくは音楽を選択することによって音楽を聞くという時間を選択することになる。そしてぼくは音楽産業から時間を選択することにあまり魅力を感じなくなりつつある。エレベーターの会話。ICレコーダーに残った声。当面ぼくにとっていちばん困るのは、virtualave.netがそんなmp3ファイルの掲載を禁止していることだ。

 フランスからクロマトロープが届く。すばらしい。バーサミアンに欠けているのは、無垢な回転の持つ残酷さだ。

20001129
 アマゾンの日本版amazon.co.jpを試してみたのだが、このサーチエンジン、翻訳に使えまっせ。特に、海外文献の邦訳チェックに泣いてきた人には朗報じゃないかと思う。
 学術書に山ほど載ってる海外文献のどれに邦訳があって、それは誰が訳しててどこから出てるのかをチェックするのは結構骨が折れる作業だ。ではどうするか。amazon.co.jpのサーチで、たとえば原書の著者名を英語で打ち込む。と、ちゃんと邦訳が検索できて、しかも「その他のエディション」の項に原書へのリンクが張ってあるときたもんだ。で、これをコピーして貼りつけてけきゃオシマイ。素晴らしい。






20001128
 TVのCMでファックスの新製品。着信ファックスをメモリに貯めておいてどれをプリントするかを選択できる機能があるという。ファックスをメモリに貯めること自体は以前からあったが、それはあくまで紙が切れたときのバックアップ用に過ぎなかった。ところがメモリ容量がでかくなってくると、メモリに情報を貯めておいて、そこが選別の現場になってくるわけだ。紙にプリントアウトされる情報だけがホンモノで後は消えてなくなってしまう。

 となると、この前から使ってるICレコーダーなんざ、まさに消えてなくなる情報の集積場だ。もちろんそれをしこしこmp3に落とすこともできるわけだが、基本的にはいつ上書きされても仕方のない四角いカタマリだ。そんなはかない情報が入ってるわりには、妙に確かな重さがあるんだな、これが。

 年に二度の大会運営をするという希有な体験をしたので、そのマニュアルをまとめておく。大学に勤めてると、ときどきこんな風に学会大会の運営というお役目が回ってくることがあります。まあ、ホテルマンの人などから見たら屁でもないささいな仕事だらけだと思うけれど、これでも世間知らず?の学者にはけっこうキツいんでっせ。ともあれ、こういう世間もあるっちゅうことで、興味のある方はどうぞ。

20001127
 疲れが残っているのかeBayで絶対競り落とすべきアイテムをビットし忘れる。ダメージ大。学会の残務処理など。

20001126
 学会最終日。身振りにおける身体枠と仮想枠に関するビデオ発表。座長をやってる最中、一瞬(10秒くらい?)意識が飛んで進行を忘れていた。あぶねえ。ポスターもいくつか見たが、寝ぼけて質問がぐちゃぐちゃになりそうなのでそこそこで止めておく。
 終了間近、会場のゲルの中からホーメイが聞こえるから何事かと思ったら薮田くんが歌っていた。それから二人で交替でホーメイをうなったので、音声研究の岡ノ谷さんや橋彌さんが呆れていた。

 会場を片づけて夜、日高敏隆先生を囲む会。20数人が一人一人、当時と近況を語るだけなのだが、結婚式のスピーチのようなわざとらしさも虚勢も微塵もなく、いかに日高研が恐るべきバラエティと懐の広さを持った場所だったかを思い知る。田中さん、幸島さんの高笑いとともに「キムワイプ」という固有名詞を聞いたとき、当時の実験室の匂いを嗅いだような気がした。
 そのあと、常喜さん、近さん、荒谷くんと少し飲む。


20001125
 二日目。身振りの近接学についてのポスター発表。ポスター前では2度くらいしゃべったがあとはほとんど会場運営。懇親会では皿の周りにびっしり人垣が出き、スキマが空いたと思ったらめぼしい皿は軒並み空だった。
 懇親会後にはディスコ。もうこの辺から寝不足ハイ状態。滋賀県立大学ビッグバンド第3班はグレイトな演奏をしてくれました。サンキュー。夜中近くまで音楽をかけて踊る。守衛さんがすごい顔でやってきたが、使用目的を説明して再びガンガンかける。
 部屋に帰って3時間ほど寝て、明日のビデオ発表の映像編集。昔ならダビングにつぐダビングで3日くらいかけるところをいまやデスクトップ上で数時間で編集できるんだから、長生きはするもんではある。

20001124
 日本動物行動学会一日め。予想外の来場者数でラウンドテーブル会場は戸口の外まで人があふれてしまった。近さんと右往左往。まあ、とりあえず無事に過ぎた、と思っておこう。これまで自分のポスター発表の準備をするヒマがなかったので、徹夜でパワーポイント書類を作る。

20001123
 学会準備。掲示物を山ほどプリントアウト。夜、成田くんが差し入れにシュークリームを持ってくる。旨し。夜中近くまでずっと準備。家に帰ってから昨日買ったOFFICE 2001 (MAC用)をインストールしてパワーポイント書類を作ってたらもう明日。

20001122
 講義の後、聴講生の人がおもしろい陶器を見せに来てくれた。特許申請中、とのことでここでは詳細は書かないけど、料亭に置くより画廊に置きたい美しい形だった。なのにご当人は発明になるかどうかのほうが気になるらしいのが妙におもしろかった。
 もう一人、絵葉書を見せに来た学生と話。最近の絵葉書動向についてはぼくよりずっと詳しい。

 学会仕事。
 週末にある学会発表用にビデオを編集しようと思ったらパソコンのHDに空き領域がほとんどない。衝動買いでCDライターを買う。バックアップを取りまくってから映像を入れまくったらまた一杯になってしまった。

20001121
学会仕事。

20001120
 学会仕事あれこれ。

20001119
 朝っぱらから神戸クアハウスの重曹湯でリラックスし過ぎ、クッパを食ったあと、ゆるゆるとジーベックに行くとちょうどパーパの演奏中。勢いのある鉄面皮。健身球と鍵盤の衝突のように取りつくシマなし(ぼくなりの賛辞)。
 フォルマント兄弟、リベンジに期待。
 HOAIHOの、できることからいつのまにやら別世界なたたずまいに音楽に対する力の入れ具合についてちょっとだけ考える。
 二日間、聞きながら寝てたこともけっこうあった。どういうわけか、爆音で眠り、音が静まると目が覚めることが多かった。

 打ち上げで千野さんと東ドイツとアイスラーの話。

20001118
 朝から神戸へ。昼過ぎ、アートヴィレッジセンターで「裸と被」。みやじけいこ氏とあと、子供の絵を描いてた人のやつがおもしろかった。雑居的ディスプレイにはちょっと? 階下の展示も?
 そしてそして、Beyond Innocence初体験@ジーベックホール。ほぼ全部見た。「ミュータント」のサックスぱたぱた(はじめは何の音かわからなかった)、ふちがみとふなととパラレルな田中悠美子義太夫楽し。千野さん+岩崎氏+福本氏、千野さんの大ボリュームかつニュアンスありすぎプレイはもちろん、岩崎氏のベース時間差エフェクタプレイに引き込まれる。カートゥーン音楽みたいなジョエル・レアンドルのヴォイスにも淡々とした悠治さんの音の置き方。ちゅうか音!(ウェーベルン聞いてるみたいな気がした)。シェリー・ハーシュのピアノ、ピアニシモ付近のニュアンス。 一楽氏のドラムはサンプリングを自在に、というより止まると死ぬねん、ちゅうくらい使ってる。ハン・ベニングvs八木・田中氏の、日蘭交流300年記念ともいうべき大誤解セッション(ハン・ベニングにとってはホウキとバケツとスプレーが日本だったらしい)のあと、実はそれよりも緊張を強いるホースの演奏の緩さ。終演後「めちゃめちゃ集中して聞いたから疲れた」という声が聞こえた。めちゃめちゃ集中、のところには同感。稲田氏宅へお邪魔し、泥のように眠る。



20001117
 でまた仕事。

20001116
 仕事仕事。午後、田中くんが部屋で「砂漠の生き残り問題」を簡単に試験。実際にやってみるとほんまに盛り上がるからおもしろい。

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Beach diary