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M41.1002
節子と妹からの手紙。老いたる母上は二十九日の晩に函館を去って、一人、岩見沢の姉が許へ行ったという。それを見送って帰ったのは夜の一時であったそうな。残ったのは妻に妹に京子。ああ、その夜の二人の心!そして又北海の秋の夜汽車の老いたる母が心!

一枚あった電車切符を利用して早稲田に藤条君を訪ね、歓待された。”血笑記”と一円。
筑紫から手紙と写真。目のつり上った、口の大きめな、美しくはない人だ。
暮れわたる空は高い、高い。限りも涯もない悲哀が予の心を捉えた。金田一君が帰って来た。予は驚いて立って、そしてアンドレーエフの入神の筆について語り、且つ読んだ。”日露戦争の結果は、露西亜−大なる露西亜に於て此 Red laugh となったが、小なる日本には何も残さぬ!”
源氏”野分”。

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