啄木日記メモ目次
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時間表目次
M41.1211
上田氏宅へ。昴に毎号書く約束。
北原白秋君。
戦は境遇のために勝敗早くついた。予は敗けた。
坪仁子からなつかしき手紙。昨日はほめられるつもりで、一人電車で来たったのだという。
M41.1210
千駄ヶ谷へ。
留守に小奴。
平野君は到頭”昴”を予にぬたぐった!
M41.1209
妹からハガキ。伝道婦になる件。
平野君。昴の広告依頼など。
M41.1208
吉井君。(君に一昨日ああやられて飲む気になったんだよ!)
昴、ハガキ分類。三人で菊坂町でビール。
枕の上で頗りに釧路の事を思った。市子のことなど−
M41.1207
”赤痢”直し。
(八)の五。
日本橋から今日来てくれとの電話。予は先頃から電話をかけることをおぼえた。どうも変なものだ。
小奴と会う。
逸身の妾になれ、と勧めた。
十一時、言いがたき哀愁を抱いて一人電車で帰った。
M41.1206
(八)の四。
小奴と日本橋へ。須田町から本郷、鈴本。
帰宿後、金田一君を呼んで、三人でビールを抜き、ソバを喰った。
M41.1205
せつ子へ久振に手紙。
菅原芳子と平山良子へも手紙。
(八)ノ三。
M41.1204
平野君原稿催促。寒さにふるえながら”赤痢”、午後一時までに煙草も忘れて脱稿。鳥影(八)の二。
太田君と小奴の話。
M41.1203
”赤痢”。
千駄ヶ谷。平出君宅。予は六時に辞して帰った。何のため?
昨夜の気持をくり返した!
M41.1202
日本橋に坪仁子の宿を訪うた。座に二人の男。小奴は予の後に座っていた。三時頃異様な感情を抱いて帰った。
ああ、予はこの日終日顔が上気していた。
九時頃遂に堪えがたくなって一人で出て、パラダイスで麦酒を一本のんで、赤くなって来て寝た。
M41.1201
”釧路から来たものだと言ってくれ。”という女声が聞えた。ツイと出ると、驚いた、驚いた、実に驚いた。黒綾のコートを着た小奴が立ってるではないか!
三丁目から不忍池、浅草の蕎麦屋。二本の銚子に予はスッカリ−釧路を去って以来初めての位−酔った。九時半、そこを出て、再び手をとり合って十町許りもあるいた。
予の心は淘とした!
ただ、淘とした!
別れる時キッスした。
金田一君の室へ行って二十分許り、心のままを語った!
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