にぎやかな地下鉄その
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にぎやかな声は目の前の女子高生らしき一団
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その話は大きくわけて3グループにわかれる。
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3つの並行する話
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その声をたどりはじめると打ち込むことばがうばわれる
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窓の外をみているぶんにはへいきなのに
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3つの会話からどれかひとつの声でもポップアップしてくると
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テクストがうばわれていく
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だからいま快調に書かれているテクストは
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声を犠牲にしている
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切れ切れの声すくいながら
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きれぎれにテクストへと頭を切り替える
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白い歯を見せる東幹久と高岡早紀の広告を見ながら頭の中の声を殺す
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歯列矯正器をつけた女の子が駅をおりる
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そしてぼくはテクストに向かう
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これは一種の盗聴
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たぶん盗聴は、声を録音するから反倫理的なのではない
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自分の感覚を一方的に行使するということが反倫理的なのだ。
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都市の中でテクストを綴ること
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都市の中でことばを生むことが
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すでに反倫理的なのだ
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地下鉄ではただ眠れ
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